総額人件費管理とは、文宇どおり「総額の人件費を管理する」ことであるが、その内容は次のとおりである。
(1)要員管理:要員計画と統制
(2)年間賃金水準管理:年問賃金水準計画と統制
(3)付加価値再配分管理:付加価値再配分計画と統制
したがって本来の意味では、事業の採算管理に立脚した要員計画の段階からはじめることが大切となってきている。
しかし実際上これを実行するには、いくつかのハードルがある。
1.終身雇用制により不要労働力を削減(労働者を解雇)できない。
2.仕事の配分が「人に仕事をつける]方式であるため、各仕事の必要労働力の算定が難しい。
3.現在の人事部門単独の部門権限を超えている不安定な事業環境のもとで、中長期の必要要員を予測することが難しい。
そのため、総額人件費管理の実態は、(2)年間賃金水準管理と(3)付加価値再配分管理に重点を置いて行うこととならざるをえない。
人件費はその名が示すとおりコストであり、企業経営上、できれば抑えたい費用であるが、他のコストと異なリ、従来、人件費に関しては聖域扱いがされてきた。
それは、かつて日本経済全体が増勢基調にあった時代には、人件費の増大も利益で十分吸収できたという客観情勢があったこと、人件費増≒賃金増→従業員のモラール アップ、という好循環が予想されたことが大きな要因といえる。
しかし、最近の人件費増大傾向は、構造不況による企業収益の悪化とあいまって企業の収益圧迫要因となっている。
そのため人件費もコストとして適切にとらえ、これをコントロールしていくべきだというドライな考え方が漸次定着してきており、そのひとつの方策として総額人件費 管理が注目されているといえる。
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